2 日本高血圧学会の誤り

高血圧について、2017年9月にNHK番組「きょうの健康 これを見たら下げたくなる 高血圧」で、4夜にわたって日本高血圧学会の理事長から説明がありました。それを分析してみましょう。番組はまず、血圧140以上が高血圧であり、WHOもそう定めていることを説明しました。そして高血圧学会理事長は、「高血圧患者は4300万人もいると言われています」と言いました。

学会理事長はさらに下図のグラフを示して、60代の6割以上、70代の7割以上が高血圧だと言いました。まず、この「いかにも多すぎる患者数」について見てゆきましょう。

このグラフの元のデータはNIPPON DATAと呼ばれるもので、厚労省が実施した大規模調査の結果です。平成25年に滋賀医科大学がそれをまとめたものがインターネットで公開されています。そのデータから50代以上の数値を抽出したものが下の表です。

このグラフや表で気がつくのは、女性の高血圧が男性より少ないことです。女性は平均して男性より体が小さい(背が低い)ので、血液を高く、遠くまで送らなくてよく、男性より血圧が低いのです。ですから、血圧基準は男女で別にする必要があります。もしそうしないなら、男女別に人数を数えてもあまり意味がありません。ですからここでは男女を合算しました。年令別も見やすいように「50代+60代」と「70代以上」の2つのグループに大別しました。この数字を百分比にして、国勢調査による年令別人口を掛け合わせて、次図の分布グラフを作りました。

元のデータは厚労省調査ですから確かです。このグラフは、50代以上の日本人の血圧分布がどうなっているかを正しく表しています。70才以上は山が低く、ピークが右にずれています。年令とともに生存数が減り、血圧が上がっていくからです。そのグラフにタテの青色の線で、2000年の新基準を記入しました。これを見れば、なぜ4300万人もの人が高血圧になるのかは明白です。基準がおかしいのです。分布の中央に基準を設ければ、半分の人が異常になるのは当然です。次図は同じくNIPPON DATAに基づいて、基準値によって50代以上の高血圧の割合がどう変わるかを示しています。

昔は基準は180でしたから、高血圧患者はごく少数でした。2000年までの基準160なら、高血圧は50代以上の14%です。それが2000年の新基準140では46%になります。そして2004年の目標値130では68%になります。

ちなみにアメリカの基準は、60才以上で150です。ぴったり年令+90です。そして60才以下には基準はありません。30代~50代の人に血圧基準を儲けることには、科学的な根拠がない、という強烈な理由です。このアメリカの基準を日本に適用すると20%になります。サジ加減一つでどうにでもなるわけです。
そしてそのさじ加減で、血圧降下剤の売上げは何千億円も増加してきました。
学会理事長が示した「高血圧の割合グラフ」と、上図の「血圧分布グラフ」とは、同じデータから作られたものです。「割合グラフ」は、なるほど「見れば下げたくなる」グラフです。しかし血圧分布図を作って見れば、正常と異常の分かれ目を分布図の真ん中に引くのはおかしいと、誰でも気づきます。その誰でも気づくことに、学会理事長はまったく気づきません。おそらく高血圧学会では、血圧分布図を作ったことがないのでしょう。
血管が壊れる?
次に学会理事長は、高血圧で脳と心臓と腎臓の血管が「壊れる」と言いました。脳と心臓と腎臓の血管は、太い血管からいきなり細い血管になっていて、太い血管の血圧が上がると、それが細い血管にもろにかかって、血管が「壊れる」のだと言いました。だから血圧を下げましょうということでした。
しかし、血圧が上がると血管が破れるリスクが増えます。ですから普通は「破れる」と言うはずです。それをなぜ「壊れる」と言ったのか。それは、脳や心臓や腎臓のリスクは、血管が「破れる」のではなく「血流が詰まる」ことで、学会理事長はそれを知っているからです。脳卒中のうち、血管が破れる脳出血は25%で、75%は血流が詰まる脳梗塞です。血圧を下げたら血流は詰まりやすくなります。心筋梗塞も血管が破れるのではなく、心筋へ行く血流が詰まるのです。血圧を下げたらますます詰まりやすくなります。腎臓も、血管が破れて腎不全になるのではなく、腎臓の網目が詰まって腎不全になるのです。血圧を下げたらますます詰まりやすくなります。
このように、学会理事長が提示した事例は、脳出血を除いてはすべて「詰まる」リスクです。それを「破れる」とは言えませんから「壊れる」と言ったのです。しかし血圧を下げたら、血流が詰まる(=血管が壊れる?)リスクは増大するのです。
高血圧で脳卒中が8倍に !
次に学会理事長は、高血圧で脳卒中が増えた例として、九州大学の久山町のデータを示しました。「脳卒中は、血圧の低い人に比べて血圧が中程度で3倍、血圧が高いと8倍、だから血圧を下げましょう」という説明でした。

なるほど「これを見たら下げたくなる」データですが、グラフのタテ軸は1000人のうち何人が脳卒中になったかという目盛りです。そこでグラフを実際の1000人のスケールに戻して、見やすいように全体を右向きに倒すと次図になります。

左端の青と赤の部分が学会理事長が示したものです。たしかに血圧が高いほど脳卒中になりやすいことが分かります。しかし脳卒中になる人が実際には少ないことも分かります。最下段の血圧180以上は「年令+90」を越えていますから、さすがに少し下げた方がよいでしょうが、それでも脳卒中は1000人のうち62人で、938人はなっていません。血圧180以下なら、多少下げたところで意味はなさそうです。このグラフを見て、脳卒中が心配だから血圧を140以下にしよう、と思う人はいないでしょう。
脳出血と脳梗塞とを区別していない
血圧が上がれば、血管が破れやすくなって脳出血が増え、血圧を下げたら、血流は詰まりやすくなって脳梗塞が増えます。ですから血圧について論じる時は、脳出血と脳梗塞とは区別しなければなりません。
しかし学会理事長はそうしていません。なぜか。それは高血圧学会が、脳出血も脳梗塞も、高血圧が原因で血管が「壊れて」起きると考えているからです。その壊れ方は、ある時は破れて脳出血、ある時は詰まって脳梗塞です。どちらも対策は血圧を下げることですから、高血圧学会には、脳出血と脳梗塞を区別する理由がないのです。
しかし、圧力を上げたら流路が詰まる、という考えは流体の常識に反します。医療者はそこで「動脈硬化」を持ち出し、高血圧で動脈硬化が起きるのだと言いますが、その説明はかなり曲芸的です。因果を逆にして、動脈硬化によって血圧が上がると考えれば、状況はスマートに説明できます。人は年を取ると避けがたく動脈硬化になり、血管壁が硬くなり、血管が狭くなります。そこに同量の血液が入れば圧力は高くなります。また動脈硬化で血流が低下すると、それを感知した脳や臓器が血圧を上げます。つまり、人は年をとると血圧が上がるわけです。
久山町のデータも、血圧180で脳卒中になった62人のうち、脳出血が何人で脳梗塞が何人だったかは、対策を考える上で重要な因子です。「みんな血圧を下げましょう」では脳梗塞が増えてしまうからです。しかし学会理事長は区別しません。
明治生まれの古いデータ
このデータにはもう1つ問題があります。九州大学の元の論文(Arch.Intern Med.2003 163 361-366)を見ますと、調査は1961年に平均69才だった人たち、すなわち「1961-69=1892」ですから、はるか昔の日清戦争の前に生まれた人たちの記録です。
明治、大正、昭和、平成と日本の社会は激変しました。食物が豊富になって、肉や卵や魚が多く食べられるようになり、血管が丈夫になり、平均寿命も延びました。脳卒中も、昔は8割が脳出血でしたが、現在は脳出血は25%で、75%が脳梗塞です。久山町スタディは優れた研究ですが、百年一日の社会ならともかく、あまりにも古いデータは現代日本の参考になりません。脳出血と脳梗塞とを区別せずに、現代のテレビ番組にこういう古いデータを出してくることは、社会をミスリードするものです。
高血圧の方が長生きだった
また、このデータでもう一つ興味深い事実が見てとれます。それは生存率です。調査終了時の生存率は、次図のようになっています。

血圧が140未満の人は1961年には237人で、1988年には8人になっていました。生存率は3.4%です。血圧140以上の人は始めは351人で、27年後に18人になっていました。生存率は5.1%です。血圧が高い方が長生きしたのです。そもそも調査開始時に、久山町には高血圧の人が正常血圧の人より、351対237と、5割も多くいて、血圧が高い人の方が長生きしてきたのです。血圧は全身に血液を送るパワーです。血圧不足では生きる力が落ちます。ですからやはり、それから27年後の調査終了時には、生存数の差はさらに開いて18:8と2倍以上になったのです。
高血圧だと人工透析が17倍に !
次に学会理事長は、沖縄での末期腎不全(=人工透析)の統計を挙げました。1983年に沖縄で行われた大規模調査のデータを元にして、琉球大学が対象者を18年間追跡した結果、血圧が高いほど末期腎不全になりやすいことが分かったというものです。8倍だとか17倍だとか、「これを見たら下げたくなる」恐ろしいグラフです。

このグラフはパーセント表示になっています。そこでこれをパーセントの実寸に戻して、見やすいように右向きに倒すと次図のようになります。

琉球大学の元の論文(Hypertension 2003 1341-1345)では、調査対象は男性46881人、女性51878人の合計約10万人で、18年間で末期腎不全になったのは400人でした。
たしかに0.1%に対して1.7%は17倍です。しかしこのグラフで、10万人のうち99600人は人工透析にはなっていないことも、はっきりします。このグラフを見て、腎不全が心配だから血圧を140以下にしよう、と思う人はいないでしょう。
高血圧と腎不全の因果関係も逆
因果関係も問題です。「高血圧」という事象と「末期腎不全」という事象が並んでいるとき、それだけでは「高血圧だから末期腎不全になる」とは言えません。因果関係があるのかないのか、あるとしたらどちら向きかは、科学的に考える必要があります。
事実として、腎臓には体の血圧を上げる能力があります。腎臓の働きが悪くなると、腎臓にたくさんの血液を呼び込んで、処理量を増やそうとして、腎臓は体の血圧を上げるのです。ですからこのグラフは、「腎不全になったから高血圧になった」ことを示している可能性があります。そうであれば、血圧を下げても腎不全の予防にはなりません。というわけで琉球大学のこのデータは、多くの人々が血圧を下げなければならない理由には、ほぼなりません。

減塩という迷信
続いて学会理事長は、「年を取ったら血圧は上がると言われますが、そうではありません」と言って、ヤノマミ族のデータを示しました。ヤノマミ族とは1万年前から南米に住む、2万人ほどの民族です。周囲に塩がなく、塩分を摂取できませんでした。尿を採取して塩分量を調べたら、1日に0.012gしか含まれていませんでした。そして彼らの血圧は、50才以上でも100を越えないことが分かりました。次図はNHKで紹介されたものを見やすく書き直したものです。

血圧は、塩分がないと上げられない
しかしこれは「血圧を上げるには塩分が必要だ」という生理的メカニズムを示しているに過ぎません。実際、減塩で血圧が下がるというアメリカの研究があります。右図は「公益財団法人 循環器病研究財団」がホームページに掲載しているグラフです。

なるほど、減塩すればするほど血圧が下がっています。それなら学会理事長は、減塩を言うためにヤノマミ族ではなく、このグラフを出しても良さそうなものです。しかしそうはしません。なぜならこのグラフは、高血圧学会の目標値である1日6gまで減塩しても、ほんの僅か(-2.1mmHg)しか血圧が下がらないことを正直に示しているからです。このグラフは血圧目盛を拡大して、血圧が大きく下がっている印象を作っていますが、普通は下図のようになります。理論はともかく現実には、健康人の限界に近い6gまで減塩しても、減塩効果はほとんど測定できないほど僅かでしかないのです。

では逆に、「増塩」したら血圧は上がるのかというと、実はそうではありません。インターソルトという食塩関連の国際団体が、世界中の民族の食塩摂取量と血圧との関係を調べた結果があります。これも「循環器病研究財団」がホームページに掲載しているグラフです。

斜めの線がありますから、塩分量が増えると血圧が上がるように見えます。しかしこの線を引いたのは循環器病研究財団で、同財団は血圧を下げることや減塩を推奨している団体です。この線は左端のヤノマミ族らのデータに引っ張られています。文明国は筆者が赤い線で囲った部分ですが、この中では斜めの線は引けません。すなわち文明国レベルの塩分量、1日6gから12gくらいでは、塩分では血圧は変化しないのです。これらのことから分かるのは、
① 血圧を上げるためには塩分が必要である
② 塩分が6~12gなら血圧は変わらない
という2つの事実です。
体内の塩分濃度は一定
人体は電気仕掛けで動いていて、体液の塩分濃度が変わると、電気信号が変わって心臓が止まります。ですから人体の塩分濃度は0.9%と一定に保たれていて、日本人もヤノマミ族も塩分濃度は同じです。ヤノマミ族は長い年月で、尿や汗に排泄する塩分が少なくなるように適応しているのです。その備えがない日本人が、塩分摂取をヤノマミ族並にしたら、電気信号が狂って倒れてしまいます。
塩分は出ていった分だけとる
塩分摂取は○gが理想だ、などと言われますが、それは考え方が根本的に間違っています。塩分は出ていった分だけとる必要があります。当たり前ですね。肉体労働者やスポーツ選手はたくさん摂取しますし、家にじっとしている人はあまり必要ありません。では必要な塩分量はどうやって決めるのか。それは動物は自然に分かるようになっていて、塩分が足りなければ塩を欲しがり、塩分を取りすぎると、のどが渇いて水を飲み、尿で塩分を排泄します。しかし塩分が絶対的に不足すると困ります。戦国時代に甲斐の武田信玄は、今川、北条と断交して塩が入手できなくなり、領民がバタバタと倒れました。ライバルの上杉謙信がそれを知り、越後の塩を送りました。「敵に塩を送る」という有名な逸話です。
塩分摂取量は気候風土による
牧場主は牧場に塩の固まりを置き、牛たちはそれを勝手になめます。アフリカの象は、塩がある場所を知っていて、定期的に隊列を組んで塩を食べに行きます。しかしライオンはそれをしません。なぜならライオンは動物の血肉を食べるので、血から塩分をとれるからです。同じように欧米人も肉を多く食べます。また欧米は気候が乾燥していて、激しく汗をかくことがありません。ですからあまり塩分をとらなくても良いのです。日本人は穀物や野菜が中心で、高温多湿でたくさん汗をかきますから、欧米人に比べて塩分を多くとる必要があります。ですから和食は、味噌や醤油などで欧米より塩分が多くなっていて、それが日本人の健康と長寿を支えてきました。
文明を築くには塩が必要
インダスやエジプトなど、世界の文明の歴史は5千年くらいです。しかしヤノマミ族は、1万年かかっても文明を築けませんでした。文明を築くには民族全体の脳に血流が必要で、それには血圧が必要で、血圧を上げるには塩が必要なのです。人類は、今日よりも明日を良くしたいという遺伝子を持っていますが、それを発揮するには塩が必要で、塩がなければ1万年でも、まったく同じ日々が続くのです。
しかしそもそも、なぜここで未開民族の話が出てくるのでしょうか。高血圧学会は日本人に、ヤノマミ族並に塩を減らさせたいのでしょうか。いかにも奇妙で唐突な話です。しかし実はこの話は、高血圧関係者が語る定番の話なのです。年をとると血圧は上がるという、フラミンガム調査で実証された事実に、ノーと言えそうな材料が、世界中探してもこれしかないからです。
2016年の最新研究 減塩で死亡が増えた
食塩摂取は1日7.5g以上必要だというデータがあります。カナダのマックマスター大学のメンテ教授らが、世界中の10万人について3年間調べたところ、心血管の健康に最適な食塩摂取量は7.5~15.0g/日であり、これより多くても少なくても、死亡や心血管疾患のリスクが高くなることが分かり、2014年8月に発表されました。
そのチームはさらに研究を続け、人数を13万人に増やし、期間を4年に伸ばして調査しました。そして塩分摂取量と死亡率の関係を確定して、2016年に世界的な医学誌である「ランセット2016 388 465」に発表しました。その数値を医師で著述家の近藤誠氏が、サンデー毎日2017年11月号で紹介しています。下図は同氏がサンデー毎日で提示した数値を、筆者がグラフ化したものです。

1日に11.4グラムの食塩を摂取する人の死亡率を基準(1.0)とすると、7.6g未満の人は死亡率が1.39になることが分かりました。4割も多く死ぬのです。しかし逆に、塩分量が17gまで増えても、死亡率は変わりません。体内の塩分濃度が一定になるように、過剰な塩分はさっさと排泄されるからです。塩分は多いのは構わないが、不足してはダメなのです。
日本人は塩分不足
冷蔵庫がなかった時代は、食物は保存のために塩漬けにされていました。おばあさんが作る漬け物や梅干しは、現代に比べると恐ろしく塩辛い味でした。そんな時代は確かに塩分過多でした。しかし現代では、普通の味覚で普通に暮らしていれば、塩分過多になることはありません。
最近は減塩運動で、日本人の塩分摂取量は平均11gまで減っています。一方で最新の科学研究で、11g以下に減塩するのは危険だということですから、日本では半数が塩分不足だということです。夏になるとテレビがさかんに「しっかり塩分を取りましょう」と言います。熱中症になるからです。これは高齢者だけのことではありません。学校でも減塩が進み、給食は味気なく、食べ残しが急増し、子供たちは塩分不足で、少しの暑さでバタバタと倒れてしまっています。
日本人は信玄公、謙信公の昔から、減塩すると健康が損なわれることを知っています。だからみんな梅干しや塩昆布を食べるのです。そもそも、血圧を下げることが間違っていますから、そのために減塩することは、もともと無意味だったのです。最新の研究で17gくらいまで問題はないことも分かりました。普通の食事で17gにもなることはありません。しっかりと天然塩(NaClだけの化学塩は健康に良くない)を摂取して「味気のある生活」をしましょう。
血圧降下剤の種類と作用
次に学会理事長は、血圧降下剤を紹介しました。そして、血圧降下剤の副作用として、「ほてり」だとか「むくみ」だとか「空咳」などを示し、いずれも大したことはないと言いました。
血圧降下剤には、血管を広げるものと血量を減らすものとがあります。血管を広げるとは、血管壁の弾力を失わせて血管をブヨブヨにすることです。たとえばゴムホースで水を撒くとき、ホースの先を指で押さえると、水は勢いよく飛び出します。ホースに弾力があるからです。しかしホースがブヨブヨだと、先を抑えてもホースが膨らむばかりで圧力は立ちません。血圧降下剤は血管壁に弾力を生む仕組みを抑制(医学用語では阻害)して、血圧を下げます。
もう一つの、血量を減らす薬は利尿剤です。腎臓が尿を作るとき、いったん尿を作ってから、もう一度水分だけ回収するプロセスがあります。血圧降下剤はそのプロセスを抑制(医学用語では阻害)します。すると水分がそのまま尿になって出てしまい、尿量が増えます。尿量が増えれば血液量が減りますから、血管内の圧力、つまり血圧が下がります。しかし尿になって出て行くのはほとんど水分ですから、残った血液は濃くなり、血管が詰まりやすくなります。
血圧降下剤の医家向けの注意書きには、副作用として「脳梗塞、めまい、立ちくらみ、しびれ、貧血、不整脈、心房細動」と明記されています

これらの副作用は全て、血のめぐりが悪くなった結果です。血圧降下剤は、血圧を下げて血流を減らす薬ですから、そうなるのは当然です。これらは血圧降下剤の副作用ではなく、主作用なのです。脳に血が届かなくなると何が起こるのか。脳梗塞と認知症です。また、心房細動が起きると血栓ができて、それが脳に飛ぶと脳梗塞になります。前述の大櫛名誉教授は、血圧降下剤で脳梗塞を起こす人は、飲んでいない人の2倍だという研究結果を発表しています。
しかし学会理事長は全国放送で、この重大な事実にはまったく触れませんでした。

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