5 脳髄液循環の改善③ 笑う

脳の健康

頭蓋骨の構造から考えると、口を動かせば蝶形骨も動きそうである。接客のセミナーなどで、笑顔が大切だと指導される。笑う気分でなくても、無理にでも口角を上げると良いと言われる。口角を上げると蝶形骨が動いて、脳髄液が流れて精神が安定し、接客もうまく行くのである。
乳児も笑う。「柴犬きなこと道産子夫婦」という動画で、赤ちゃんが柴犬の動作を見てキャッキャと笑っている。

笑顔は、相手に対する敵意のないことを示す。だから乳児も、周囲を味方にするために笑う、という説もある。しかし元々、脳を安定的に成長させるために、脳髄液を循環させて新陳代謝を促進する必要があり、蝶形骨を動かす必要があって、乳児も笑うのだとも考えられる。認知症やうつ病になると、精神的に不活性になって笑顔が失われる。しかしこれは逆に、笑顔が失われることで蝶形骨が動かなくなり、脳髄液の循環が悪くなって、認知症やうつがひどくなるという因果もありそうである。うつになる人は真面目な人が多い、と言われるが、もともと四角四面な人は、あまり笑うこともなく蝶形骨の動きが悪いのではないか。若い頃から冗談を言ったりしてよく笑う人は、認知症にもなりにくそうである。重い病気から回復するのに笑いが有効だということもある。いずれも蝶形骨が動いて脳髄液がよく流れ、脳が安定すると考えられる。
人類の、他の高等動物にはない大きな特徴は、笑うことである。笑顔を作る表情筋が発達している。だから笑える。他の高等動物は笑わない。笑顔を作る表情筋がないからである。大脳が発達した人類では、脳を正常に作動させるために脳髄液を循環させることが、他の動物たちより重要で、そのためには蝶形骨を動かす必要があり、蝶形骨を動かすための表情筋が発達した。そして笑顔は敵意の無いことを示す全人類共通の風習として定着したわけである。「笑う門には福来たる」という言い伝えはそのことを言っている。笑うことが脳に良いのは単なる精神論ではなく、笑う→蝶形骨が動く→脳髄液が流れる→脳が活性化する、という物理的メカニズムがあると思われる。

つづく

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